2019/03/04

プライベートバンクとプライベートバンキング

プライベートバンクとプライベートバンキング.
似ているけれどだいぶ違うと思う.

プライベートバンク:富裕層向けに資産管理・運用・保全を中心とし,預かり資産に関連するかなり広範囲のモノ(金融資産以外のもの)に対してもいろいろと助言してくれたりする専業の金融機関といったところか.最低預け入れ資産は3億円くらいのイメージだが,3億円だと多分相当少ない部類.10億円くらい預けると顧客っぽいと思うのだけど,まあ預かり資産によって対応が大きく異なるということは基本的にあまりないと思う.日本だと,スイス系のプライベートバンクがいくつかが有名.邦銀系だと,みずほFGが専業の会社を持っている.

プライベートバンキングサービス:国内銀行(都銀,信託銀行)や証券会社が提供する金融サービスの一つ.その多くは,当該金融機関の子会社が組成した投資信託商品をリスク許容度に応じて購入して運用してもらうようなイメージか.四半期に一回とか多くて毎月一回くらいのアセットアロケーションの見直しなどを行って,運用益を分配してくれるような感じか.

前者・後者ともに話を聞いてみたが,私としては断然前者のほうが性に合っているような気がする.ただ,一方で「自分で少し運用してみたい」というところもあるので,プライベートバンクに大部分はおまかせしつつも,自分で運用するものも楽しみとして取っておく,そんな感じが良さそうだ.


2019/01/03

民事信託とクレジットカード

「民事信託とクレジットカード」とタイトルに書いてはみたものの,コレ実は実務上すごく悩ましいことなんじゃないかと思う今日このごろ.

いくつかの観点で書き連ねてみます.

民事信託で受託者が信託事務を行う際に,受益者のために福祉サービスや物品購入等をするケースがあると思うのだけれどもこれはいくつかオペレーションのパターンとしてはいくつかの累計があると考えている.

  1. その際に信託財産から適宜必要な金額を「予め」引き出してから,福祉サービスや物品購入を行い,受益者へ提供する
  2. 一旦受託者が福祉サービスや物品購入に係る費用を立て替え払いをして,あとで信託財産から引き落としする
  3. 信託財産から直接お金が支払われるようにする(振込払いをするとか)
大きくはこのどれかに分類されることになるかと思う.

クレジットカードはこのうち「2」のケースのような感じだろうか.ただし,クレジットカードの場合,債権を持っているのはが受託者ではなく,カード会社ということで良いのかな.これは信託契約にもよるけれど,負債を一時的に発生させてしまっていることは信託事務を遂行する上で必要な行為の範疇と解されれば問題ないと思うけれど,そうでない場合,必要であるとはいえ意図的に負債を発生させてしまうのは問題があると買いされてしまう場合もあるだろう.

そもそも,信託口座をクレジットカードの引き落とし口座に設定できるようなクレジットカード発行体はほとんどないので,実際のところはこのような問題は現実的に議論されていないんじゃないかなと思う.

実際のところどうなるのかな,たとえば,
  • 委託者(=受益者)の場合で,
  • 信託口座から引き落としされる受託者名義のクレジットカードを発行できたと仮定し,
  • 受託者が福祉サービスや物品購入の費用払いを上記クレジットカードで支払った
というようなケースを考える.

このようなケースで,委託者(=受益者)が死亡してしまった場合,債権はどうなるのかなと.あくまでもカード名義は受託者であるから負債は受託者に帰属すると解されるのか,いやいや実益を得た人が負担するということならば委託者(=受益者)の負債となるのか.

このあたりの法解釈とか税務については詳しく知りたいと思うのだけど,そもそもの信託契約がどうなっているか?ということがケースバイケースであるのでなかなか一概にどうこう言えないのだろうなというところが難しいところか.

ちなみに,民事信託の信託口座(そもそも持っている人も極めて少ないと思うのだけど)を有していて,クレジットカードをその信託口座から利用できるようにしたいと考えている人ってどのくらいいるのかな....私は電子帳簿のことを考えると,立替伝票を作ってアナログに処理するのも良いけど,できることならほとんどのことは電子化したいので,クレジットカードを信託口座に紐づけて利用してみたい派である.

本件に興味のある方がいたらコメントぜひください.意見交換したいなあ.